第9地区

2009年/アメリカ
監督：ニール・ブロムカンプ
製作：キャロライン・カニンガム/ピーター・ジャクソン
出演：シャールト・コプリー/デヴィッド・ジェームズ
　　　ジェイソン・コープ /ヴァネッサ・ハイウッド
　　　ナタリー・ボルト/シルヴァン・ストライク

ピーター・ジャクソンが製作にまわり秘蔵っ子の
南アフリカ出身のニール・ブロムカンプが手掛ける
B級SF超大作である・・・・とても楽しみだった作品
28年前南アフリカ・ヨハネスブルグ上空で宇宙船が故障
船内の宇宙人たちは弱り果てていた
当時の南アフリカ政府は第9地区に仮設住宅を作り
住まわせることになったが・・・
現在第9地区はスラム街と化していた
そこで超国家機関MNUはエイリアンの強制移住を決定する

この映画は何と言ってもそのメッセージ性の高さに驚く
人種差別、国家や企業のモラル、格差社会などなど・・・
舞台が南アフリカというのも興味深い
前半は一般市民や多国籍政府エージェント・ＭＮＵ社員達の
インタビューを交えたフェイク・ドキュメンタリーで
構成されている
そのインタビューで社員達が口々に
「ヴィカスは裏切り者」と答えている
強制移住の責任者ヴィカス・・・
組織の一員として出世を夢見て、真面目に仕事に励み
家族を愛し自分のことしか考えてない平凡な男だ
一体彼に何があったのか興味を惹かれる

主人公のヴィカスはまた嫌な奴なんだこれが
小心者の癖に威張り散らし嫌いなタイプである
エイリアンは海老だよ海老、昆虫にも似ている
さすがピーター・ジャクソンが製作にいるだけあって
グロテスクだ（笑）ネコ缶が好物なんだそうだ
スラム街になれば武器商人なんて奴も出てくる
エイリアン達はネコ缶欲しさに武器を交換してしまう
牛耳っているのはいかにも怪しいナイジェリア・ギャング
突っ込みどころはたくさんあるがそれを補って
余りあるくらいおもしろかった
後半はアクションもさることながら
ある事から主人公ヴィカスとエイリアンの親子
との交流ドラマまである
自己中男が最後に魅せる男気
エンディングは少しだけホロリとさせられる
これは絶対に続編を希望する

どんな生物でもやっぱり子供は可愛い（笑）